2025年03月06日
第50回総合研修会開催のご報告

小澤台下御垂示

講義①:村山博雅師

講義②:松本明観師

講義③:塩沼亮潤師

会場の様子
令和7年3月6日(木)、大本山増上寺さま光摂殿講堂を会場として第50回総合研修会を開催いたしました。
研修➀
村山博雅師(全日本仏教青年会第18代理事長・世界仏教徒青年連盟(WFBY)会長)
「菩薩道の実践と仏教徒共同体の構築~仏教青年会活動の様々な可能性~」
地域・宗派の青年会会長を歴任した村山師は、現在、日本人初の世界仏教徒青年連盟(WFBY)会長を務めていらっしゃり、その経験から青年会活動を通しての僧侶としてのあるべき姿についてご講演いただきました。ボランティア活動、社会貢献を積極的に行う青年会活動は、社会参画型仏教でもあり、これこそが世界の僧侶にはない日本の仏教・僧侶の特徴といえるだろうとご指摘されました。
現在個々人で行っている活動を大切にしつつ、地域、全国での青年会活動を通して世界に向けて羽ばたいていってほしいと激励をいただきました。
研修 ➁
松本明観師(大佛師)
「大佛師の心構え―徳川家康公像制作秘話―」
親子三代の仏師である明観師は、工房の初代である父・松本明慶師の背中をみて育ち、幼い頃から跡を継ぐことを考え、彫刻の勉強を進める中で益々父に傾倒し、他に習いたい人がいないと気づいたと話されました。
会場にてお持ちいただいたいくつか仏像を拝見し、高い写実性と細部に至る作りこみの凄さに、参加した会員一同感嘆の息を漏らしていました。講義の後半では、「大佛師」という肩書からはイメージできない軽妙なトークで徳川家康公像の制作秘話や篤志家伊藤明氏とのエピソードを披露してくださいました。
研修➂
塩沼亮潤師(大行満大阿闍梨)
「人生生涯 小僧のこころ」
「大峯千日回峰行」「四無行」や「八千枚大護摩供」といった数々の荒行も達成された大行満大阿闍梨・塩沼師からは、幼少期のエピソードかを含め、師の半生を紐解きながら過酷を極める行の最中に執られた貴重な手記も交え、人生の時々に得られた体験や学びをご教示くださいました。
厳しい行によって生き死にの瀬戸際の体験をされたにもかかわらず、「宗教的に価値のある行を修めようがそれ自体は社会的に何の意味も成さない」と捉え、実績に拘わらず、社会との関わりの中での今日の生活に真摯に向かい、向上心を絶やさず、一日一日勤めている姿を目の当たりに拝見させていただきました。