第28期 活動理念
活動テーマ
基本理念
浄土宗青年会とは、原則として18歳以上、43歳以下を会員資格とする有限の組織です。法然上人のご生涯においては、青年期から壮年期の約25年間に相当し、黒谷隠棲から立教開宗に至る求道の遍歴そのものとなります。換言すれば、私たちが過ごしている青年会員としての期間は、まさしく法然上人が万人救済の仏法を必死に求めながらも、その答えにたどり着くことができず、暗闇の中をさまよい続けた日々と言えるでしょう。そして承安5年(1175)、苦心の末に善導大師の『観経疏』に説かれる「一心専念の御文」に出遇われ、阿弥陀様のご本願に順じた選択本願念佛のみ教えを旗印に浄土宗をお開きくださいました。
時節到来、開宗850年の慶賀を迎えた今、私たちは浄土宗青年会という組織とどの ように向き合い、青年会員としてのかけがえのない時間をいかに過ごすべきなのでしょうか…。
無論、会則第4条に謳われている通り、当会の活動目的が会員相互の研鑽と親睦、社会教化に集約されることは言うまでもありません。しかし、善導大師が「願共諸衆生 往生安楽国」と願い、法然上人が「普く万機を教化して念佛門に入らしめん」とお示しくだ さったように、紡ぎ紡がれてきたお念佛の法灯を承け継ぐ私たちが生涯をかけて果たすべき使命は、お念佛の相続と結縁の輪を広げてゆくことです。
43歳までたったお一人で求道の極致に立たれていた法然上人とは対照的に、浄土宗の青年僧侶である私たちは、幸いにも若くして浄土門に帰依することができ、無常の世を 明るく照らすお念佛のみ教えをすでに頂戴しております。それだけではなく、全国にはおよそ1,900名の同信同行を有しており、多くの同朋と共に掌を合わせ、「南無阿弥陀佛」と声をそろえて往生浄土への道程を進むことができるのです。だからこそ、開宗850年とその先を見据える私たちは、青年会の諸活動を通じてまずは自身の脚下を見つめ直し、自行化他の基盤となる己の信をしっかりと育み、より強く・堅く・厚くし、また同信同行との尊いご縁を さらに広く・深く・太くしてゆくべきであると考えます。そのうえで、「有縁の人の為には身命財を捨てても、偏に浄土の法を説くべし」と述べられた法然上人の本懐に少しでも適うよう、いか なる逆風にも決して揺らがぬ信心を確立し、青年会の魅力である全国8地区47教区の つながりを最大限に活用しながら互いの「信」を「勧」め合うことにより、必ずや有縁の方々を「往」生を「求」める道へと導き、念佛弘通と宗門興隆に寄与することができると信じております。
よって、第28期では2年間の活動テーマを「勧信求往-ともに信じ 共に歩む-」と掲げさせていただき、「青年会員による青年会員のための青年会」という基本理念のもと、倶に往生を願い信を一にする朋友として、会員の皆様と共に開宗900年へ向けた新たな一歩を踏み出すべく、法然上人への報恩感謝、さらには今日まで青年会の歴史と伝統を築いてこられた諸先輩への敬意をもって、令和の大勧信事業に取り組んでまいります。
至心合掌
第28期全国浄土宗青年会
理事長 杉山 裕俊