第19期 活動理念
活動テーマ
基 本 理 念
全国浄土宗青年会は、昭和44年の結成以来、様々な事業を展開してまいりました。その根底にあるものは、元祖法然上人の説かれた阿弥陀仏の選択本願念仏のみ教えです。それは800年の時を超え、今を生きる私たちにも相応する教えであります。父、時国公のご遺言を受けて遺恨の連鎖を断ち切られた法然上人は、ご自身を煩悩具足の凡夫だと省みられ、ただひたすらに称名念仏を実践されました。更には、人々が心に抱える、あらゆる痛み・苦しみ・悩みをありのままに受容され、分け隔てなく同じ立場、同じ目線に立って教化されました。私たち浄青会員は、法然上人のお姿を真摯に受け止め、僧侶としての姿勢を自問し、自らを奮い立たせて念仏相続し布教教化に励まなければなりません。
現在の私たちは戦争のない日々を享受して生きていますが、戦後60年という歳月を経た今もなお、戦争の後遺症に苦しまれている人々が大勢おられます。戦争体験の記憶が私たちの身の回りから薄れつつありますが、二度と戦争を繰り返してはならないということを絶対に忘れてはいけません。他方、私たちは、物質的な豊かさ・利便性・合理性を追求してきた時代に生まれ育ち、様々な場面で競争の場に立たされてきました。更には多種多様に変化する価値基準に振り回され、自らの居場所や存在意義を模索し彷徨い続けている世の中に生きています。煩悩具足の凡夫である私たちが、争いを繰り返すことなく心やすらかに生きるためには、お念仏を称えていく道しかないことを「発心」し教化していかなければなりません。
第19期全浄青では、法然上人800年大遠忌を平成23年に迎えるにあたり、特別な時と場所とを設けてお念仏をお称えする「大念仏事業」を第18期より継承してまいります。全浄青会員約2400名のうち一人でも多くが一堂に会し、檀信徒とあい交え僧俗一体となった称名念仏を実践することで、互いに励まし合い、各々の資質を向上し合いたいと考えます。これぞまさに法然上人のみ教えを継承していくことであり、争いを無くし心やすらかに生きるための礎となることでしょう。南無阿弥陀仏のお念仏こそが「天下和順」そして「兵戈無用」を具現化していくことを常に心の底に留め、自らを省みて一人でも多くの人々にお念仏のみ教えが届くように邁進してまいりましょう。
第19期理事長
塩野隆康