第27期 活動理念

活動テーマ

基本理念


 激動の時代にお生まれになり、乱れた世の中に生きる人々がなんとか救われていく道を探し求めた法然上人が、阿弥陀様にすべてをおまかせし、お念佛をお称えすれば浄土往生が叶うとお示しになられてから、間もなく850年の月日が経とうとしております。
 すべての人々が救われる道を求めて青龍寺報恩蔵に籠り、暗闇をさまよいながら一切経を幾 度も繙いた末、法然上人は『観経疏』に説かれる「一心専念の御文」に出会われ、善導大師を 介して阿弥陀様の本願に順じた専修念佛のみ教えに開眼し立教開宗へと至りました。
 全国浄土宗青年会は、こうした宗祖法然上人の立教開宗の精神に基づき、諸先輩方の不 断の努力に紡がれながら、その時その時の時代の変化と共にさまざまな活動を展開してまいりました。しかし、近年は度重なる災害や新型コロナウイルス感染症等の影響により、会員相互の研鑽と親睦を図る機会が失われつつあり、また寺院を取り巻く環境もこれまで以上に厳しいものとなっております。まさに今、仏教や僧侶の真価が改めて問われる時代であり、私たちは悩み苦しむ 人々が求める救いの答えを明確に示していく必要があるのではないでしょうか。
 幸い、私たち浄土宗僧侶は、法然上人が万人救済のためにお示しくださった“選択本願念佛” という唯一不変の答えをすでに頂戴しております。だからこそ、私たちは社会に足を運び、悲しみ 苦しむ方はもとより、あらゆる有縁の方々に寄り添い、素晴らしきお念佛のみ教えを伝え弘めていく 使命があります。そのお一人お一人のお念佛、紡ぎ紡がれたお念佛により、必ずや阿弥陀様のみ光に照らされた明るい社会の構築へと繋がり、やがては共に往生の道を歩むことになろうと確信しております。
 よって、第27期では活動テーマを「順彼佛願故~本願に導かれて~」と定め、お念佛をお称えする「故」を今一度しっかりと心に刻み、確固たる「故」をもって、檀信徒には次代へのお念佛の 相続を、そして有縁の方々にはお念佛との結縁を勧め、一遍でも多く「南無阿弥陀佛」とお称えしていただけるよう、本願に導かれた青年会活動を推進してまいります。
                                                至心合掌

                                         第27 期全国浄土宗青年会
                                             理事長 寺井 孝導